オープンCAE勉強会@横浜(2024年6月16日)オーバーセットメッシュを用いた剛体と流体運動の連成解析の高速化研究

 オープンCEA学会HPC小委員会のプロジェクト研究として、九州大学のITOを使わせて頂きました。オープンCAEシンポジウム2023(横浜)で講演したドローンを模擬した4つのプロペラを持つ剛体と流体運動の連成解析では、2つのプロペラを休止し、全体をスムーズに回転させようと考えましたが、予想に反して小刻みに振動しながら回転するものとなりました。聴衆者の皆様から、オーバーセットのメッシュ作成方法、境界条件、4つのプロペラの流れの干渉など様々なご意見を頂きました。
 本研究では、バックグランドメッシュの分解能は、オーバーセットメッシュの1/2なので、メッシュ増量で振動回転が解消できるか試してみました。
 また、講演を聴講されていた三邉様(日本ESI)から竹とんぼ飛行シミュレーションのケースファイルを参考に頂きました。剛体運動用ライブラリがチュートリアルと異なるものを使用されており、興味深いのでベンチマークテストを行いました。

オープンCAEシンポジウム2023で講演したCase4の結果. 振動回転している。

Case4でバックグラウンドメッシュを詳細化してメッシュ増量したCase4-1の様子。メッシュ増量しても、振動回転している。メッシュの詳細化で結果は変わらない。

Case4-3では境界条件をzeroGradientからWallに変更した。境界条件を変えても振動回転はかわらない。むしろ、精度は悪化している。

モデル変更したCase4-4でも振動回転は変わらない。

Case4-5では、慣性モーメントを増加した。振動が抑制されている。これまでの結果で、振動回転は計算不具合の可能性は低く、このモデルでは、慣性が小さいと振動しながら回転運動するものと考えられる。したがって、2つのプロペラを無回転とすることで、全体をスムーズに回転することはできない。何らかの他の制御方法をする必要があるものと推測する。

Case4-6は初期の2ミリ秒だけ、4つのプロペラ全体を強制回転したものである。スムーズの全体回転して、上方へ移動していく。プロペラ回転数制御や全体姿勢の制御で、初期に全体回転できれば、スムーズな回転ができるがやり方は課題である。

Follow me!